育毛する前に知っておきたい髪の構造

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髪の毛は変化した皮膚の一部

髪は頭皮から独立して生えているのではなく、爪と同様に皮膚の付属器官、つまり皮膚が形を変えて変化したものです。髪が生える毛根は胎児の時に作られ、その数は基本的に生まれてから一生変わらないとされています。一つの毛根からは2~3本の毛が生え、頭皮全体で約10万本程度とされています。髪の毛の太さは0.07~0.1mmで、頭皮1cm四方の中に約150本生えているのが標準的です。ちなみに欧米人は平均して0.05mm位の太さで、日本人に比べると細くなります。髪が多い、少ない、硬い、柔らかいといった特徴は、髪の皮質細胞(コルテックス)によるもので、この量が多いと硬くて太くなり、少ないと細く柔らかな毛髪となります。

頭皮アップ画像

また、髪は1日に0.3~0.5mm、1ケ月で約1.2cm、1年間に15cm程度伸びるとされています。髪には寿命があり、一生伸び続けるわけではありません。正常なヘアサイクルでは4年~6年かけて成長し、1日に約50~100本が自然と脱毛して、新しく生え変わります。しかし、1日に200本以上が抜けてしまうような場合は、頭皮のトラブルやストレスによってヘアサイクルが乱れている可能性があります。この状態が長く続くと、やがて薄毛が進行してしまうのです。

髪の組織と生える仕組み

髪の組織図2

髪は頭皮から出ている「毛幹部」と、頭皮に隠れた「毛根部」に分かれています。毛根部は毛包と呼ばれる袋のようなものに包まれ、髪はこの袋の中を成長しながら外に押し出され生えてきます。毛根部の底部には毛球部という丸く膨らんだ部分があり、この最も先端は毛乳頭を囲むように凹んでいます。髪の毛を作る毛母細胞は、毛乳頭の上部にメラニン細胞(メラノサイト)と一緒に存在しています。毛乳頭は毛母細胞での細胞分裂が活発に行えるよう、毛細血管から血液や酸素を運ぶ役割を担っています。この細胞分裂によって作られた髪の毛の基は、初期成長期→中期成長期→後期成長期→退行期→休止期というヘアサイクルを経て成長と脱毛を繰り返しています。

ヘアサイクル画像

髪の色とメラニンの関係

ブロンドやブラウンなど、明るい色から黒色まで、世界には様々な髪色が存在しています。このような髪色はメラニン細胞で作られるメラニン色素の種類と量によって決まります。メラニン細胞は毛乳頭の上部に毛母細胞と隣り合って存在していますが、髪色は毛母細胞が細胞分裂で髪の毛の基を作り出す際に、メラニン細胞が産生したメラニン色素を受け渡され決定します。
メラニンには、黒~茶褐色のユーメラニン(真性メラニン)と、赤褐色~黄色のフェオメラニンと呼ばれる2種類があります。日本人のような黒髪はユーメラニンが多く存在し、欧米人に見られるブロンドはフェオメラニンが多くなります。つまり、ユーメラニンが多ければ髪の色は黒色に近付き、フェオメラニンが多ければ暖色(赤色系)に近付きます。 また、光を吸収するメラニンの総量が多いと黒髪、メラニンが少ないブロンドは光を反射して白っぽく見え、その中間が栗色となります。髪の毛の中のメラニン量は、4.5%以下ですが、メラニンが有害な紫外線(UV)を吸収し、頭部(頭皮)を守ってくれているのです。
ちなみに、メラニン細胞の元気がなくなるとメラニン色素がつくられなくなり、やがて白髪になってしまいます。

髪の毛は「巻きずし」構造!?

巻き寿司

髪の三層構造

髪の毛1本1本の構造は、三層になっていてよく「巻きずし」に例えられます。
まず、巻きずしの「具」に相当する中心部分は柔らかいたんぱく質が主成分の毛髄質(メデュラ)といい、空気を含んだ立方体の細胞が蜂の巣のように存在しています。毛髄質(メデュラ)は、うぶ毛や赤ちゃんの柔らかい毛にはなく、太い髪ほどしっかりとしているため、髪の潤いや弾力(コシ)に関与しているともいわれています。

次に、ごはんに相当する部分は毛髪全体の85~90%を占める、毛皮質(コルテックス)という繊維状の細胞が縦方向に並んだ層です。水分とメラニン色素を含み、コルテックスの状態によって髪の太さや強度、しなやかさ、そして髪色が決まります。パーマやカラーリングは、このコルテックスが薬剤と反応し、ウエーブを出したり、髪色が変わったりするのですが、薬剤の作用を受けやすく、髪が傷む原因にもなっています。

最後に、外側の海苔に相当するのがキューティクルです。これは毛表皮といい、硬いうろこ状で毛髪の表面を覆い、髪の毛の内部を守る役割を持つ同時に、髪のツヤや美しさ、手触りに直接かかわります。テレビコマーシャルなどでもよく耳にするため、メディキュラやコルテックスは知らなくても、キューティクルはご存知ではないでしょうか。

キューティクルは色素のない透明なウロコ状で、通常(健康な髪の状態)、6~8枚がタケノコの皮や屋根瓦のように重なり合っています。キューティクルは硬いケラチンたんぱく質で作られていますが、摩擦に弱くブラッシングや乱暴なシャンプーなどによって傷つくと、剥がれやすくなります。また、ヘアアイロンによる過度な熱で溶けてしまうことも。キューティクルが減少してしまうと、コルテックスからたんぱく質が流れ出し、ツヤやコシといった髪本来の美しさを損なう原因となります。

キューティクルの状態

髪の毛は、たんぱく質のかたまり

髪の成分

毛髪は、その80~90%がケラチンと呼ばれるたんぱく質からできていて、残りはメラニン色素、脂質、微量元素、水分になっています。このケラチンは爪や動物の角を構成する成分にもなっていて、硬く角化しているのが特徴です。ケラチンはたんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の中のうち、18種類が含まれています。
なお、毛髪は、その大部分を構成しているケラチンの性質から、弱酸性(pH4.5~5.5程度)が最も安定した状態です。このためpH8以上となるアルカリ性の強い製品や、pH2以下といった酸性度合いの強い製品を使用すると、毛髪にダメージを与えてしまうので注意が必要です。

髪の毛のアミノ酸組成

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